これだけは知っておきたい「コンビニ」のこと

コンビニの今後は?

    先日、日本初のコンビニ「セブン・イレブン」を立ち上げ、最大手チェーンに育て上げたセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が辞任を決めました。

日本の暮らしにコンビニを根付かせることに大きな役割を担った人です。

マスコミや小売業界からは、「一つの時代が終わりを告げた」と言われています。

「セブン・イレブン」が設立されて、43年経ちます。

日本のコンビニの未来はどうなっていくのでしょうか。

コンビニとは?

    コンビニは、年中無休で長時間の営業を行い、小規模な店舗において主に食品、日用雑貨など多数の品種を扱う形態の小売店です。

多くの場合、大手資本によるチェーン店舗として展開されています。

日本の経済産業省の商業統計での業態分類としての「コンビニエンスストア」の定義は、飲食料品を扱い、売り場面積30平方メートル以上250平方メートル未満、営業時間が1日で14時間以上のセルフサービス販売店を指します。

日本経済新聞の2014年度の調査では、国内市場が初めて10兆円を超える規模に成長し、トップシェアのセブン・イレブンジャパンをはじめ上位3社だけで約8割のシェアに達したことが明らかになりました。

コンビニの経営形態

現在のコンビニエンスストアの大半は、鉄道会社系を除くとフランチャイズ・チェーン方式(FC方式)であり、ボランタリー・チェーン方式やチェーン等に属さない独立経営のコンビニエンスストアは少なくなってきています。

売り上げは3月から5月にどこの店舗でも売り上げが低迷し、6月から8月にかけて売り上げは年間を通じて最高になります。

夏は冬のように衣服等で調整ができず、ドリンク類やアイスクリームを買い求めるため、気温が上昇すると売上も上がる傾向を示しています。

店舗経営者(フランチャイジー)の多くは個人です。

複数店舗を経営する場合には、法人化することが少なくありません。

他方で、主にビルや運輸関係(バスターミナル・倉庫業など)の施設を所有する既存の会社法人が、サイドビジネスの一環として自社が保有する建物内や遊休地などに店舗を設置して運営することも見られます。

個人経営の場合、多くは経営者夫妻で夫が店舗オーナー・妻が店長やマネジャーという肩書きになりますが、複数店舗を運営する場合には店舗毎に店長職を社員として雇用することが見られます(いわゆる「雇われ店長」)。

既存の会社法人が店舗を運営する場合、オーナーは置かず専任の店長として社員を配置することが少なくありません。

いずれにしても、これ以外の従業員はほとんどがアルバイト・パートなどの非正規雇用の形態で就労します。

これらの場合、従業員は店舗を運営する経営者や法人によって募集・雇用・解雇が行われ、賃金が支払われます。

フランチャイズ・チェーンであるため当然ですが、フランチャイズ店舗はチェーン本部(フランチャイザー)とはフランチャイズ契約を締結し、これに基づいて商標の使用が許可され、店舗運営の指導を受け、商品の供給を受ける関係になります。

店舗用地を借りている場合にもフランチャイズ店舗のオーナーが自身で事業用定期借地権を締結し、本部側は紹介・仲介程度の関与であり、ほとんどの場合、本部とフランチャイズ店舗の間に資本・人材・雇用の直接的な関係はありません。

コンビニエンスストアの店舗の一部には、チェーン本部や地区事務所など、フランチャイザーが自ら経営する直営店舗が存在します。

ただし、基本的にはフランチャイズ店舗がコンビニチェーンの規模拡大の中核を担っており、直営店舗はチェーン全体を見渡した場合には少数派です。

コンビニの建物の特徴とは?

     店舗の構造としては、独立した建築物の場合には平屋で、現在は軽量鉄筋プレハブ工法による簡易建築が主流ですが、木造FP工法もファミリーマートなど一部チェーンで用いられています。

コンビニ業界初期に見られた酒屋などの既存店の転業による店舗には、既存の木造軸組工法の建物を改装したものも見られます。

建物部材についてはチェーン毎に共通化された特徴が見られ、本部サイドによる計画的な大量一括調達により部材のコストダウンが図られると同時に、共通の部材による外観デザインや外壁はそのチェーンを示す意匠的な特徴となっています。

ただし、設置場所が景観条例などの対象区域である場合には、これに添った特殊な外観の店舗デザインが用いられることもあります。

      ビル・マンション・商業施設などへ出店する場合は1階(地上階)への設置が基本であり、飲食店や金融機関で多く見られる様な空中店舗や地下店舗はビル・官公庁や複合施設内での事例はあるものの、大都市圏でも少数で例外の範疇です。

その他、新築分譲マンションのショールームなどとして建てられた独立した比較的小規模な建築物が、当初の用途での利用終了後に貸店舗に転用され、テナントとしてコンビニエンスストアが入居するケースなども見られます。

店舗は道路(正面)や駐車場に向いた一面の側壁が大きく開かれ、足元近くから天井高さまでガラス張りになっており、4-8面程度並べた大型ガラスに面して雑誌の棚が配置されている構造・外観が一般的です。

これは防犯上とマーケティング上の理由によるもので、店舗内に常時(立ち読みの)客が店外から見える状態を維持することで、他の客の誘引効果を図り、また強盗などを抑止する効果を兼ね、客が店内に入りやすい心理的作用をもたらしています。

     商品を必要に応じて随時配送する事により、店舗側には余剰在庫を基本的に置かないことも店舗の設計・運用における大きな特徴で、商品や業務用具をストックしておくバックヤードを最小限度に設計でき、店舗スペースを有効活用できます。

このことは、同時に建物のダウンサイジングを可能とし、建設費・光熱費などの圧縮や、店内の隅々まで店員の目が行き届きやすくなるなどといった商品管理・防犯、従来の雑貨店では出店不可能であった都心部のビルなどのより狭小なスペースへの出店を可能にするなど、様々な副次的なメリットを生み出しました。

商品種類が非常に多岐に渡るため、それらを余すことなく店頭展示するためにも、バックヤード側から商品補充が可能なウォークイン式冷蔵庫や、商品の後入れ先出しを容易にする可動構造の陳列棚、緻密な商品レイアウトなどの、様々な工夫が徹底されています。

また、チェーンを問わず事務所も最小限度の広さに店舗運営に必要なストアコンピューターや事務机などが所狭しと並べられている店舗が多く、全般に従業員の労働環境よりも効率化とコストダウンに比重が置かれた店内構造ということが言えます。

    チェーンの名称を入れた内照式の看板であるファサードサインを店舗上部に掲げていることが一般的です。

セブン-イレブンなどの一部店舗では、正面のガラス窓にシャッターが設置されており、台風などの災害時や暴動発生時など近隣での非常事態発生時や、閉店時、設備の点検・改修時などには必要に応じて一時的に閉めることが可能です。

また、出入り口は内外両方向に引く観音開きが多く、自動ドアを導入している店舗は初期投資やメンテナンスコストの都合などから比較的少なかったのですが、後に新規開店した店舗ではバリアフリー推進の観点から、以前は自動ドアの店舗がなかったコンビニチェーンの店舗でも導入するケースが増えています。

同様に、現在の店舗にはバリアフリー対応型トイレを設置している店舗も少なくありません。

    また、大学病院や総合病院などの大型医療機関が近隣にある店舗を中心にオストメイト対応トイレを持つものも見られます。

チェーンによっても割合は異なるが、全体的に見た場合、敷地や店舗建物は賃借されるケースが主流です。

小売とは全く別業種の企業が、自社所有のたとえば市街地の工場跡や旧本社跡などの有休地を利用したサイドビジネスとして不動産賃貸業を手掛けることも少なくありません。

店舗オーナーが敷地や建物のオーナーを兼ねるケースは、元々が酒屋や日用品店として土地を自前で所有していた既存店舗転業型の店舗を例外とすれば多くありません。

ただし、稀にではあるが、経営効率改善を目指したり貸主側の事情などから、コンビニ店舗のオーナーが賃借していた土地建物を買収することが見られます。

コンビニの多様化

     コンビニチェーンの一部では、店舗の形態や機能を多様化させる試みが行われています。

例えば、ファミリーマートはCD・DVDレンタル大手TSUTAYAと一体化した店舗を2010年12月に初めて出しました。

また、イオン大宮店の有料遊び場「ファンタジーキッズーナ」の中には、座席を多数設置したミニストップが出店しています。

コンビニ業界黎明期には個人経営の薬局が転換した薬局兼営コンビニエンスストアが若干数存在していましたが、これとは別に近年大手薬局チェーンとの複合店舗化の試みも行われており、ローソンはマツモトキヨシと共同で企画した店舗を千葉県内に、ファミリーマートはドラッグコスコと共同で企画した店舗を長野県松本市内にオープンさせています。

コンビニは多様化するのか?

   将来的に、日本の人口が減少していくことが予想されますが、コンビニ自体の再編や経営の多様化など、生き残りをかけて創意工夫していくでしょう。