これだけは知っておきたい「認可外保育所」のこと

そもそも「認可外保育所」とは?

    待機児童が問題になっていますが、その際によく話題に上るのが「認可外保育所」です。

しかし、「認可外保育所」とは何かと問われて、きちんと回答できる人は、決して多くありません。

認可外保育所とは?

    認可外保育所とは、児童福祉法上の保育所に該当しない保育施設であり、認可外保育施設とも呼ばれます。

設置には児童福祉法第59条の2による届出が必要とされる施設です。

無認可保育所と呼称されることもあります。

また、児童福祉法第24条による「その他の保護」を行う施設として公的に扱われる施設もあります。

ベビーホテル、駅型保育所、駅前保育所等のいわゆる無認可保育所の他、その他の法令や通知で規定された事業所内保育所、病院内保育所、へき地保育所(市町村が山間部等に設置)、季節保育所があります。

認可外保育施設が3歳未満児の保育、延長保育や24時間保育の受け皿となっているケースもあり、今後も、認可外保育所の保育の質とサービスの向上を進めていくことが期待されています。

   2001年10月より認可外保育施設指導監督基準の適用が開始され、一時預かり保育を含め定員6名以上の施設につき、認可外保育施設指導監督の指針に基づく届出が義務付けられ、立ち入り検査を含む行政機関の検査・指導強化が図られました。

これにより、いわゆる無認可保育所にて劣悪な保育環境が存在した温床を取り払う動きが進んでいます。

保育定員が5名以下の施設は設備、保育内容の公的基準はありません。

利用を希望する場合は施設に申し込むのが一般的です。

サービス内容や保育料は原則として施設が自由に設定できます。

従来、認可保育所としての基準を満たせない施設とみなされがちでしたが、その一方で認可による規制を嫌って認可の水準を満たしながらも認可外保育施設を選択する、また認可保育所と認可外保育施設を併設して幅広いニーズにこたえる、などの形態も見られます。

事業所内保育所とは?

    認可外保育所の中に「事業所内保育所」と呼ばれる施設があります。

ここでは、次世代育成支援対策推進法、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律上の事業主の措置(事業所内託児施設)として設置され、児童手当法の児童育成事業として21世紀職業財団(同財団では事業所内託児施設と呼称)による育児・介護雇用安定等助成金(両立支援レベルアップ助成金)、こども未来財団による事業所内保育施設環境づくり支援事業による助成が行われています。

21世紀職業財団の事業所内託児施設に対する助成には、施設の規模、構造設備、運営、設置場所につき同財団の独自の要件を満たす必要があります。

    従前の助成金に加えて、一般事業主行動計画を届け出た事業主が2007年4月1日から2009年3月31日の間に税法の要件を満たす事業所内託児施設を新たに設けた場合、事業所内託児施設等の割増償却が認められ、税制上の優遇が図られています。

認可外保育施設指導監督基準に加えて、事業所内保育施設指導実施要綱に基づき、都道府県・政令市・中核市が指導を行います。

近年は地方自治体による助成も開始されました。

2009年3月現在、全国に1,498箇所の事業所内保育所があります。

利用する場合は雇用主に申し込みます。

保育料等は雇用主の社規・労使間の労働協約等によります。

病院内保育所とは?

    認可外保育所の中には、「病院内保育所」というものもあります。

ここは、看護師等の人材確保の促進に関する法律により、看護師等の人材の確保の目的で設置され、病院内保育所運営費補助事業による地方自治体の助成が行われています。

病院内保育所運営費補助事業実施要綱により、利用対象を医師を含む職員に拡大し、骨太の方針2007の医師確保緊急対策にて女性医師の確保策として明言されました。

    院内保育所は、事業所内保育所の一種であり、病院内保育所運営費補助事業に代えて事業所内保育所を対象とする助成を受ける事も可能です。

2009年3月現在で全国に2,371箇所の病院内保育所があります。

利用する場合は、病院・診療所の管理者に申し込みます。

保育料等は病院・診療所の内部規定によるが、事業所内保育所と比して助成措置が手厚く低廉となっています。

認可外保育所の課題

    認可外保育所が、なぜいつも認可園より品質が劣ると言う偏見で見られるのでしょうか。

ニュースにもあるように、認可園で幼児のポルノ撮影をしていたなど、品質の管理自体は、認可、認可外の違いによるものではなく、その園の責任者の全ての管理品質にあるはずです。

認可外で様々な悪いニュースが報道され、認可園は単純に報道されにくいだけという側面があります。

    元々、認可外の経営者は、儲け主義で経営が出来るものではありません。

元来、保育所の運営には多額の経費が掛かるために、莫大な税金が児童福祉の名目で補助金となって費やされています。

その経費効果の仕組みの上で認可園の運営が行われ、基準が出来上がっています。

認可外についてもほぼ同等の運営基準がありますので、補助金のない純粋な認可外園は利益を出すのは至難の業なのです。

このような環境で、一旦開設した認可外の園を、そこに通う子供たちへの愛情と責任感だけで、経営を継続している経営者とスタッフが全国にはとてもたくさん存在します。

認可外の善良なる経営者は、認可園では行っていないきめ細かいサービスや、認可園では預かってくれない子供たち、そして、時間的な問題にしても、必死の努力で利用者のニーズに応えようと日々頑張っています。

    現代の働くお母様、あるいは、増えてきた母子家庭、父子家庭では、もともと定型的で、しかも運営時間の短い認可保育園では仕事に支障があり、必要な保育ニーズに応えていない問題があります。

ほとんどの家庭に対しては、夕方までの保育や、6ヶ月、1年以上の保育でまかなえるのでしょうが、実は本当に困っている上記の家庭に対しては、24時間保育であったり、新生児保育であったりと、フレックスな就労形態に対応できる保育施設が必要であり、それらのニーズに何とか応えようと認可外保育所が存在しているのです。

  しかし、最近の保育政策は、あくまで受け入れ定員枠を拡大する事、人数的目標に終始しています。

この結果、現在認可外保育所が悲鳴を上げているのです。認可保育所の定員を拡大することは、なんとなく良い事の様に受け入れられていますが、現実は、少しだけ働く人、全く働かない人までも入所できるようになっていること、保育の必要のない人まで預けるようになっていること、その結果、本当に保育が必要な人が結局預けられなくなっているというゆがんだ現象も生じさせています。

また、認可外から言えば、どうしても保育料の安い認可園に転園するケースが増えてきています。認可外の経営はタダでさえ厳しい上に、園児の減少となり、閉鎖する園が続出してきています。

    もちろん、少しだけ働く人も預けることが悪いと言うのではなく、あくまで福祉的思想としては、所得の高い人は所得の低い人に、限られた福祉予算の中での恩恵を、そういった人に優先させるべきであり、また夜遅くまで仕事しているお母様にとっては、もともと認可園に預けては仕事が出来ないことから、こういった人が認可園に預けられないこと自体が、同じ税金を負担しているのに、全くその恩恵を受けていないと言うことです。

実は最も補助金の恩恵を受けているのは、子供でもなく、親でもなく、「施設、保育者」であるということです。

    働く人に全員、同じ福祉レベルで認可園に預ける権利があるとは思えません。

あくまで福祉は福祉の観点で考え、子育て世代全体に対しては、福祉とは別に、「少子化対策、子育て支援」という思想で補助政策を具現化しなければならないのではないかと考えます。

その2つを混同し、福祉と言う名の下に莫大な予算が使われ、認可園に企業が参入し、企業が補助金と言う税金によって利益を得るのは正しい姿ではありません。

認可園が、本来的福祉の役割として存続し、福祉以外の子育て世代に対して幅広いサービスを提供することが望ましく、その住み分けされた「福祉」と「サービス」の「明確な環境分離」が重要なのではないでしょうか。

    少なくともこのままの認可主義、数的拡大政策では、必ず現在存立する認可外保育所の中で、企業内託児所と院内保育所以外の全ての認可外が閉鎖に追い込まれる可能性があります。

もし、認可外保育所が激減すれば、認可外でしかニーズを満たせず、もともと認可保育所では対応できない子供たちが「本当の待機児童」となって世にあふれてくることは確実です。

その数は、何万人、いや、十数万人になるかもしれません。

    政策発表やマスコミ、新聞での保育政策論議以外に、地道に倫理観を持って地道に子供たちのために保育を行っている認可外の経営者やスタッフがいるということにも、理解が必要です。併せて、認可外、それも補助金を受けずに運営している認可外のスタッフたちは、早朝、夜間、深夜まで、また難しい新生児の保育、病後時保育など、認可園以上に厳しい仕事をしているのだということも、知っておくべきです。

認可外保育所が受け皿になっている

   認可保育所の不足が叫ばれていますが、基準の厳しさによって、なかなか増設できないのが現状です。

そこで、待機児童の受け皿として、認可外保育所の存在があるのです。